この空間の広がりは東京で味わえない
JR札幌駅北側に果てしなく連なる広大なキャンパス。
北海道大学。
おなじ国立でも東京大学や京都大学の箱庭のようなキャンパス風景を想像されるとチョット面食らう。
なにせ地下鉄3駅分の広さ。
構内に3つもの美術館を擁するハーバート大学には負けるかも知れないが、これだけの環境が用意されているところは国内では見当たらない(キッパリ)。
(ちなみにここの面積は1,775,000㎡、かたやハーバードは380エーカー、ということらしいので、どなたか時間をもて余しているかたは電卓で)
北大の前身は「青年よ、大志をいだけ」のクラーク博士率いる札幌農学校。
その農学校が模範農場(モデルバーン)を造ったのが明治9年(1876年)だが、その時建てられた木造の穀物倉庫や牧牛舎、精乳所など数棟が、この北大キャンパスの一角にちゃんーと残されて、公開されている。
重要文化財「札幌農学校第二農場」。
19世紀中ごろアメリカで盛んだったバルーンフレーム構造を採用しているとのことだが、米国でもこの手の建造物は希少になりつつあるのではないか。
写真は3階建ての穀物庫だが、内部の木材は経年の変色はあっても、いまだに衰えもなく現役の様相。
2階部分の扉の上部には西部劇やジョージア・オキーフの絵に出てくるような牛の頭蓋骨を模した木彫が取りつけられていて、当時の農夫たちが笑いながらその頭蓋骨を見上げている姿がぼんやり浮かんでくるではないか(写真部分をダブルクリックすると、かすかに判別できると思います)。
ただ、階上に収集されたさまざまな農機具類はもはやなんのために、どのように使用されたか、知る人もいないのではないかと思わせ、時間の残酷さを確認させられる瞬間でもあったような。
この第二農場も時代の変遷とともに縮小、縮小を余儀なくされて現在にいたったらしい。
しかし、復元作業に入った東京駅駅舎の上空権まで取引されるようなこの時代に、いまでもこれだけの敷地と施設を確保して文化財の保存に目を向けている関係者の姿勢は美しい。
日本は「美しい国へ」なるんだそーである。
期待してていいんでしょうか。
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