2 16, 2004

もう手遅れだけど何とかしたい

昨日は日経のSunday Nikkeiで「都市再生に反省迫る」の記事。
今朝は朝日がくらし欄に「景観保全へ プロの感性」「建築家が街づくりに助言」の見出し。

アレックス・カーさんなんかはスクラップ&ビルドが蔓延する「土建国家」に警報を鳴らし続けてきたのに、何も変わることのない日本に愛想をつかして、バンコクへ移住してしまったんですよね。
たしかにいまはどこの地方都市へ行っても、駅前はどこも同じ風景。
駅ビルに入っているお店もミニ東京。
バイパスを走れば、これまた同じようなロードサイド店が看板競争。
そして、みんな「すっかりつまんなくなっちゃったよね」と合唱しているんですが、この病状は止まらないんです。

景観保全の問題はなかなか難しい。
よく京都の町が引き合いに出されるけど、私が古くから住んでいる人間と仮定して考えてみると、オンボロになってきた家を取り壊して2重ペアガラスかなんか入った隙間風に悩まされない新しい家に住みたいなー、なんて夢想するのは当たり前でしょ。
でも、木造の町家の隣に不燃サイディングを貼ったハウスメーカーの家を建てたら、違和感を与えることも承知してるんですよね。
でも、なんとかしてくれー、と叫びたくなるようなバランスを欠いた町並み。
あー、堂々めぐり、悪しきスパイラル。

若い頃にドイツを旅行したとき、多くの街で「アルトシュタット(旧市街)」「ノイエシュタット(新市街)」の看板を見かけました。
昔の町並みを完全に保全しつつ、その横に新しい街づくりを始める、という試み。
いいアイデアですが、国土が狭く人口が多い日本では参考になりそうもない。

でも、メディアがこうしたテーマを取り上げてくれることさえなかったわけだから、少しは希望が持てるかな。
東京も再開発ニュースばかり目立つけれど、暮らす人たちの「記憶」なんてどうでもいいんだ、というランボーな効率重視の価値観が成熟社会を見据えたものへと変わっていってくれることを望みたいですね。
このweblogもそんなところでお役に立てれば、なんて思っているのですが。

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2 10, 2004

文化庁もやるじゃない

本日の日経朝刊。
「海外美術品借り受け」「保険料、国が肩代わり」の見出し。
かんたんに要約すると、日本の美術館が展覧会用に海外から作品を借りる際には結構な額の損害保険料をかけなければならないのですが、それを国が肩代わりして主催者の負担を軽くしてあげる、というもの。
記事によると、大規模な展覧会では保険料が1億円もかかってしまうらしい。
それでなくても美術館はどこでも青息吐息だから、この「政府補償制度」は美術展のレベルを上げる意味でもウェルカムなものに違いない、とシロートながら拍手を送った次第。

以前、仕事で「日本美術修復計画」というプロジェクトに携わっていたとき、その責任者であった平山郁夫さんにお話を伺ったことがありました。
東京芸術大学の学長室にお邪魔してお話をうかがったのですが、美術修復に関わる専門家が少なくなってきている現状に強い危機感をもたれていました。。
そして「ときの文部大臣がこうしたことに理解のある人か、そうでないかで環境も大きく変わるのです」とおっしゃっていたことが印象に残っています。

郵送されてくる機関誌「Agora」2月号のコラムには、フィレンツェからのこんなレポートが。
国立のウフィッツィ美術館は国からの運営資金の支払いが遅れて電気代が払えず、このまま未払いが続くと美術館の電気が止められてしまう事態もありうる、と。
薄暗くて、清掃も行き届いてない感じがしたのは、これが遠因だったんだ。
文化事業がタイヘンなのは、どこの国でも同じらしい。
関係者のみなさま、がんばってくださいね。

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1 30, 2004

GNPから、GNEへ

今朝、日経新聞の「私の履歴書」を読んでいたら面白い概念に出会いました。
それが表題のGNE(グロス・ナショナル・エンジョイメント=楽しみ)。
GNP(国民総生産)に向きすぎた関心をもっと人生の喜びや楽しみといった側面を重視しよう、ということで用意されたコトバのようです。
寄稿しているのはハーバード大の経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイズ。
「基本的な欲求が満たされれば、人々の関心はモノではなく、楽しみや知識に向かう。芸術、科学、教育などである。」

やはり昨年1月3日の日経に掲載されたガルブレイズの論文は、日本が経済の成熟化に対応した軌道修正をしなければいけない時期にきていることを指摘しています。
「戦後の日本は経済で世界を主導してきた。それよりもはるかに困難な仕事なのかもしれないが、今度は生活をより深く、より多彩に、より豊かに楽しむ点でも、日本にリーダーシップをとってほしい。それが私の願いである。」

経済効率や数字ばかりが叫ばれて、なんか息苦しくなってきたな、という矢先のこのコトバ。
少し救われたような気がしました。
でも、「経済から次の時代へ」って主張している記事を日本経済新聞が掲載しているっていうのも懐が深くていいですね。


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