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4 26, 2009

後期高齢者だって負けてはいない

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クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ Gran Torino」。
いい映画でした(シミジミ)。
ちなみにグラン・トリノとは1982年頃フォード社から発売された2ドアクーペ車の名前。

最近はCGに過剰依存しているハリウッド・スペクタクルばかり見せつけられているせいでしょうか、素直な映像になんだかホッとしました。
とはいえ、78歳のイーストウッドはまさしく年老いたハリー・キャラハン(映画「ダーティ・ハリー」のキャラハン刑事)でありました。
放送禁止用語を連発する頑迷な年寄り。
四六時中タバコを離さず、ビールを鯨飲しながら、喀血を繰り返す孤独な老人。
キャラハンの末路かくあらん、といった感じで。

戦争体験後遺症、アメリカ自動車産業の衰退、人種差別、コミュニティの崩壊など、ちいさなトゲがそこここに用意されてはいるものの、終わってみれば「老い」とか「生と死」という大きなテーマがその背景に浮かんでいたような。

老人ものと言えば、むかしハヤカワ・ミステリ文庫で「オールド・ディック The Old Dick」(1983年)という笑えるんだが少し哀しい探偵ものがありました。
L・A・モースという人が書いた小説なんですが、ひさしぶりに本棚の奥から引っ張り出してパラパラ見てみたら、主人公の探偵ジェイク・スパナーは、なんと現在のイーストウッドと同じ78歳の設定。
ドクター渡辺淳一には負けるかも知れないが、若い女とのベッド・シーンまで用意されている。

イーストウッドは、この映画を境に俳優としての出演はやめるが、監督業はこれからも続けるんだそうである。
(「ミスティック・リバー」なんかもどこかヨーロッパ映画の匂いがする素晴らしい映画でした)
当方の周囲にはハッピー・リタイアメント後は月イチ・ゴルフが唯一のたのしみとおっしゃる諸兄もたくさんおられるが、舞台を降りるのはまだ早い。
まずは「グラン・トリノ」でもご覧になって、気合を入れて・・・。
なに、オレは渡辺淳一路線でガンバってみる?
まぁ、それはそれでお好きなように。

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4 23, 2009

センダンハフタバヨリカンバシ、と言うが

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この秋、ハリウッド版鉄腕アトム「Astro Boy」が公開されるとか、
なにかと手塚治虫の話題がにぎやかになってきたと思ったら、
「手塚治虫展」を東京江戸博物館でやっているというので、久しぶりに両国へ。

う~む、やはりスゴい人でございました。
といっても混雑の話ではなく、この漫画家の巨人ぶり。
たとえば、わざわざ手塚治の本名に「虫」を加えたくらい昆虫が好きだった中学時代に描きとめた「昆虫手帳」なる1冊の小さなメモ帳。
精緻に模写された昆虫の学術的スケッチがビッシリ。
その対向ページには、おそらくは特徴や分類と思われる小さな文字の注釈が整然と並んでいる。
ピカソが14歳のときに描いたといわれる「初聖体拝領」などの写実画を見せられたとき、絵の成熟ぶりに感嘆するというより、「歴史に名を残す人って子供の頃からゼンゼン違うんやなー」と、むしろ天才の成り立ち方かたに感じるものがあったのですが。
この人もフツーの少年ではなかった。
栴檀は双葉より芳ばし。

会場では主要な作品の原画と解説が並列的に展示され、それを横に串刺しにして、この作家が生涯をかけてどんなメッセージを読者に伝えたかったのかを感じさせる構成。
中学生のときに体験した戦争への想いや医学生だったときの経験などを通して「生きること」の重みを一貫して作品化したその仕事ぶりは、伝道者や文学者に通づるものがあるなー、と感じた次第。

ところで冒頭の写真は、なにを隠そう、当方が中学生時代に受け取った先生からの年賀状3枚。
消印は昭和34年宝塚、35年初台、36年石神井とあり、先生が31歳でご結婚された頃か。
当時、少年雑誌のマンガ掲載ページ末尾にはたいてい「先生に励ましのお便りをだそう」という編集部コメントが付記されており、中学生だった当方もコドモなりに考えるところがあったんでしょーなー。
年賀状と一緒に写っているのは、会場出口の売店で見つけた「ヒョウタンツギ」の根付けストラップ。
手塚マンガに常連のこの愛すべき脇役を、授業中教科書の隅っこにせっせとイタズラ描きしたもんですが。
しかしながら、当時手塚作品のドレに熱中していたかも思い出せないし、ヒョウタンツギを描くぐらいしかなかったパッとしない当方の少年時代を考えれば、現在の私がその延長線上でウロウロしているのも不思議ではないような気がしております。

まぁ、広い自然界には桂の葉のように落葉してから芳香を放つという、終盤活躍型?の樹もあるというのが、せいぜいの慰めですかねー。

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