だからトーキョー生活はやめられない
ヴィルヘルム・ハンマースホイ(1864年~1916年)。
知らなかったですねー。
日経新聞で展覧会の予告記事を見ても、「ハンマー?スホイ?」ってな?マークだらけの反応で。
でもポスターや記事で紹介されていた女性の後姿を描いた1枚が気になっていたんです。
展覧会場は上野公園の国立西洋美術館。
この建物はコルビジェが昭和33年に設計したもので、いまさかんに世界文化遺産登録のプロモーション活動を展開しているんですが、気持ち的には選に漏れた平泉中尊寺のほうを先にしてあげたい感じだけど。
それはともかく、秋晴れの西洋美術館へ行ってまいりました。
結論から先に申し上げれば、「よかった」の一言。
もちろん、観るかたの好みや感性によって評価は大きく変わるわけではありますが、すくなくとも当方にとってはちょっとした感動でした。
アンドリュー・ワイエスの大作と竹橋近代美術館ではじめて遭遇したときのあの圧倒される思いには及ばないものの、抑制のきいた色使いや静寂が支配する室内空間など、この人がフツーの人ではないことは明らか。
「ミニマル」
「所在なさ」
「不安定」
いろんなキーワードが浮かんでくる作品群。
この人に小説を書かせたら、きっとカフカのような説明不能な世界を垣間見せてくれたのでは。
あいまいな輪郭、どこか歪んだドアの飾り、つねに薄暗い室内、1本足りない机の脚、決して表情を見せない後姿の女性(ほとんどが妻がモデル)、矛盾する影の方向、繰り返しモチーフに登場するいびつなロイヤル・コペンハーゲンのボウル・・・・。
ちなみにカフカは1883年生まれ、1924年没ですが、たしかにこの画家と生きた時代は重なっている。
いろんな想像が副産物でついてくるハンマースホイ展。
たまにこういう思いもかけないプレゼントがあるからトーキョーから離れられないんだよナー。
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